ジョンは体を反転し、仰向けになった。
「うわあ。すごかった・・・こんな風にイッたことなかったよ。君はどうだった?」
彼女は謎めいた笑みを浮かべた。その笑みの陰に、マーク・アントワーヌとの想い出を隠す。彼が彼女のストッキングを丸め脱がした時のこと(あのストッキングを履いていたわけは、とてもアナイス・ニン的だったから(参考))。後ろにシームが入ったストッキング、そしてスパニッシュ・ヒールの靴(参考)。彼は、扇情的な網ストッキングより、この方が好きだった。扇情的な網ストッキングなら、それまで何人もの女たちが彼のために履いてきていたのだから。でも、そのことに彼は不平を言ったわけではない。
彼は、脱がした絹ストッキングの片方で彼女の手首を縛り、ベッドの支柱に結びつけた。もう一方のストッキングで、自分の細長いペニスを包む。彼はそれを彼女の顔の上に置き、彼女に吸い込ませた。
ナポレオンがジョセフィーヌに対してそうであったように、彼は彼女に入浴を禁止した。・・・少なくとも、その日だけは・・・。彼は彼女のカスレー(参考)を食べたかったし、彼女も同じ気持ちを、彼のものに対して抱いていたから。
汚れたナイロンに包まれたものが彼女の顔の上で踊り、同時に、彼の舌が彼女をいたぶり、彼女を発作へと導いていた。彼のオイル・ランプからの黄色の光が、2人の裸体を舐めるように照らし、体を震わせる2人のシルエットを壁に投げかけた。彼は彼女の下着を顔にかぶり、そして、ようやく、その滑らかで先細の突起物を彼女の中に突き入れた。
彼女は、彼のペニスを見るたび、正気ではないと知りつつも、以前、盗み見した獰猛なケモノの陰茎を思い出す。彼のそれは動物のそれのように先が細く尖っているのだ。もっとも、色はケモノのそれのような赤い色はしていない。美しい桃の色合いで、頭部はさらに淡い色になっている。
この雰囲気に彼女は興奮していた。彼が最初の挿入から引きの動きに入る前に、すでに、彼女の子宮は震え収縮を始めていた。その20センチの半分を使ってのストロークにより、彼女は、網に捕らえられた魚のように、跳ね、背を反らし、彼の名前を、さらには神の名前すらもうわ言のように叫ぶのだった。彼の匂いを吸い込みながら、頂点に達し、そして果てた。
そのようなことは、ジョンは決して行わないことだ。汚れて、臭くて、不潔な、そして燃えるようなセックス。それでも、彼女は、想い出の炎を彼に分け与えた。ジョンへ。愛ゆえに。
「最高だったわ」
彼女は、いつわらぬ言葉を囁いた。
[Reviewers' Comments]
題名がすべてを物語っています。作者は、男と女とセックスの匂いほど生々しいものはないことを証明しています。一度、その現場にいたことがあった人なら、その匂いを忘れるのは難しいことでしょう。でも、そもそも、それは忘れる必要のないことなのかもしれません。卓越した作品であり。大胆で、そして、熱く刺激的です。